コラーゲンよりもプロテインがおすすめ
たんぱく質の30%はコラーゲン
コラーゲンと言うと美容のために欠かせないもので、多くの女性がコラーゲンという言葉に惹きつけられています。コラーゲンは、体内のたんぱく質の役割の30%も占めているので、美容だけでなく非常に重要なものです。(40%は筋肉、残りの30%が抗体や髪の毛、爪、メンタル物質などなどです。)
丈夫な骨にもコラーゲン
骨というとカルシウムのイメージがあると思いますが、20〜30%はコラーゲンで、骨の柔軟さや、関節のクッションの役割を担うとても大事なものです。
丈夫な骨を作るために牛乳を飲むという方は多いですが、コラーゲンもとらなければならないというのは、意外と知られていません。
歳を取ると、骨が折れやすくなったり、骨粗しょう症など、骨がすかすかになると言われますが、コラーゲンが重要な役割を担っています。
牛乳よりもコラーゲン
骨におけるコラーゲンの役割は、よくコンクリートで例えられます。カルシウムがコンクリートの役割で、コラーゲンが鉄筋の役割を持ちます。
コンクリートは固く固まりますが、固く固まったコンクリートは全体を支えるのには力を発揮しますが、部分的な力には弱く、ヒビなどが入ってしまうとパキッと割れてしまったりします。
これは、骨でいうとヒビが入ってそのまま折れてしまうようなイメージです。
鉄筋が入っていれば、ヒビが入ってもすぐには折れにくくなります。コラーゲンは、骨に柔軟性をもたせる非常に重要な役割を担っています。
軟骨はコラーゲンですよ
また、膝や関節というと軟骨がクッション代わりになっているということはみなさんご存知だと思います。歳を取ると体の節々が傷んできますが、軟骨がすり減っている場合が多くあります。
軟骨というから骨のように思いますが、軟骨の成分は水とコラーゲンです。カルシウムはあまり多く含まれていません。
コラーゲンが不足すると、軟骨の弾力が失われてすり減りやすくなり、関節のこわばりや変形、痛みの原因となると言われています。
美容だけでなく、健康のためにもコラーゲンは必要なんですね。
20歳をピークに減少するコラーゲン
コラーゲンは20歳以降急激に減少していきます。20代はまだまだ若いと油断しがちですが、20歳以降急激に減少していくので、若いうちからたんぱく質をしっかり取る健康的な食事が、大事だということがよくわかりますね。
コラーゲンを食べても意味がない?
コラーゲンといえばフカヒレが有名で、昔はコラーゲンを食べると「肌がツルツルになる」みたいなことがまことしやかに信じられていましたが、いくつかのアミノ酸がくっついてできたものを食べたところで、全部アミノ酸に分解されてしまうから意味がないというのが一般的でした。
コラーゲンは意味なくないですよ
ところが、最近の研究ではコラーゲンには意味があるという説が有力になっています。それというのも、たんぱく質は一般的に50以上のアミノ酸がくっついたものをたんぱく質と呼び、50以下のものをペプチドと呼びます。
たんぱく質は口にしてから体内でアミノ酸にまでバラバラに分解されると考えられていましたが、コラーゲンはアミノ酸がくっついたペプチドの状態で吸収されるようだということがわかってきたのです。
だから効果がある!とは言い切れませんが、良い効果があるかもとなっているわけですね。
コラーゲンは、アミノ酸スコア0
ただ、コラーゲンとプロテインは別物です。プロテインには一般的に、9種類の必須アミノ酸が入っています。必須アミノ酸の量をアミノ酸スコアといい、アミノ酸スコアの高さがプロテインの質と言えます。必須アミノ酸は体内で作ることができないので、食事やプロテインで摂るしかありません。コラーゲンを構成するアミノ酸の主成分は必須アミノ酸ではなく、アミノ酸スコアでいうと0です。
アミノ酸スコアは栄養バランスの指標
アミノ酸スコアがなぜ大事かというと、たんぱく質は体内で設計図によって組み立てられます。いわゆるDNAですね。DNAには組み立てる順番があり、色んなアミノ酸が使われるのですが、設計図に書かれたアミノ酸が足りないと、設計図は成り立たなくなり作られるはずだったたんぱく質が作られなくなってしまうのです。
9種類の必須アミノ酸は体内では作れないので、足りなくなるとどうしようもなくなるんですね。だから、プロテインはアミノ酸スコアが重要なわけです。
プロテインは万能です
なぜ、プロテインの話とコラーゲンの話を一緒にしたかと言うと、コラーゲンもたんぱく質もアミノ酸でできており、材料であるアミノ酸が足りないことにはどちらも作ることはできません。ただ、プロテインには9種類の必須アミノ酸も、コラーゲンを作る非必須アミノ酸も含まれているわけです。
そう考えると、プロテインでたんぱく質を摂っている人が、あえて、コラーゲンを取る必要はないんじゃないかなと思うわけですね。
コラーゲンのとりすぎに要注意
また、設計図のところでお話したように、設計図が成り立たなくなるとあまったアミノ酸は他の代謝経路を通じて分解され、時には体にとって有害な副産物を生じさせる可能性があると考えられています。何事もバランスが大事なわけですね。
まとめ
プロテインのお話をするときにコラーゲンのお話をすると、「コラーゲンはサプリでとっているから大丈夫!」という方がたまにおられます。
さすがにその都度、こういったお話をするわけにもいかないので、今回まとめて書いてみました。木も見て森を水という言葉がありますが、コラーゲンとプロテインのお話もまさしくそういうことですね。